イシュタヨガとは個性を大事にするヨガ|特徴やハタヨガとの違い

イシュタとは「個人」「個々」という意味で、イシュタヨガはハタヨガをベースにした、ダイナミックなポーズが醍醐味のヨガです。
ダイナミックなポーズといっても上級者さん向けというわけではありません。今回はイシュタヨガが初心者さんにもおすすめできる理由を、歴史や効果とあわせてヨガインストラクターの筆者が解説します。
目次
イシュタヨガの特徴4つ

イシュタヨガのレッスンやアーサナの特徴を解説します。
個々に合わせた調整と指導
イシュタヨガは一人一人にあったポーズ、瞑想法、呼吸法をおこなうことに重点をおいています。
受講生に合わせてクラス分けがされ、段階に合わせて細やかな調整と指導が行われるレッスンです。
自分の内側の声をきく
自分の内側の声とは無理しすぎていないか、甘やかしすぎていないかということです。
目に見えるポーズの形ではなく、呼吸に合わせてポーズがとれているかどうか。難しい、きついと感じた時にはポーズを終了することも推奨されています。
周りに合わせて無理したポーズをとると体を痛めてしまいます。普段使いすぎて無理をしているところは休ませてOK。
あまり使えていなく余裕のあるところは強化することで、筋力と柔軟性のバランスのいい体になります。
内側の声をきくことは、自分らしい美しさを得ることにもつながりますよ。
ダイナミックな動き
イシュタヨガは呼吸、アーサナ(ポーズ)、瞑想の3本柱で成り立っています。
ダイナミックな動きを呼吸を意識しながらおこなうことは、瞑想状態に入りやすく、体の柔軟性を高めることにも効果的です。
個々の心と体の状態に合わるため、ポーズの完成形は異なります。
最後は瞑想をおこなう
イシュタヨガでは最後は必ず瞑想をします。ダイナミックな動きの最後に瞑想でリラックスし、心のバランスを整えるのです。心と体を同時に整えるテクニックとして、チャクラを用いることもあります。
関連記事:プロが解説!チャクラの基礎とチャクラを開く7つのヨガポーズ
ハタヨガと何が違うの?

ハタヨガとは、ポーズをとるヨガとして最も歴史が長く、多くの流派の元となっているヨガです。イシュタヨガも、アーサナ(ポーズ)はハタヨガがベースになっています。
ハタヨガもイシュタヨガも、解剖学に基づいたアライメント理論で、より安全にアーサナ(ポーズ)をとります。
イシュタヨガではさらに、心のバランスが取れるよう、ヨガ哲学や体質に基づいた教えを個々に合わせておこなうことが重要とされているのです。
イシュタヨガの歴史

イシュタヨガはニューヨーク在住のアラン・フィンガーと、父マニ・フィンガーが考案しました。
2人は古典的なクリヤヨガ・タントラ哲学・ラヤヨガ・シバナンダヨガの技術を何年も習得し教えはじめました。
しかし、多くの人がヨガを正しく受けるには個々に合わせたヨガをおこなうシステムが必要だと気づきます。
その結果考案されたのがイシュタヨガです。
アランはまずロスに渡り「ヨガワークス(Yoga Works)」を創設、その後ニューヨークに移り「ビーヨガ(Be Yoga)」(現在は「ヨガワークスグループの一員)を立ち上げました。
イシュタの意味とは

イシュタには2つの意味があります。
①サンスクリット語の「個人」「個々」
個々にあったヨガを習得するということが名前にも表れています。
②イシュタ(ISHTA)=Integrated Sciences of Hatha,Tantra and Ayurvedaの頭文字
Integrated Sciences=総合科学
Hatha(ハタ)ハ=太陽、タ=月 バランスを作り出すヨガの身体的な修練
Tantra(タントラ)タノティ=拡張、トラヤティ=解放 すべての生きとし生けるものを敬うヨガ哲学
Ayurveda(アーユルヴェーダ)アユ=生命、ヴェーダ=知識 インドの伝承医学、生命科学
父マニがヨーガスートラに由来するイシュタという言葉を気に入っていたことから、最終的にISHTAが頭文字になるように正式名称を定めたそうです。
ヨーガスートラには「自己研鑽を拠りどころとすれば、あなたの心に響くしかるべきヨガの練習、人生の目的、道が見つかるでしょう」と書かれています。
イシュタヨガの効果4つ

イシュタヨガの実践で期待できるメリットをご紹介します。
シェイプアップ効果
大きな動きで柔軟性と筋力の向上、ゆったり取り組むことで有酸素運動としての脂肪燃焼効果があります。
自分を認める
内側の声に耳を傾けることで自分のペースや心地いいポイント、違和感に気づきます。
慣れない頃は少し無理してしまうかもしれません。
しかし、内側の声を無視することは体の痛みや集中力の途切れとなります。
練習を繰り返せば自分を認めること、受け入れることができるようになるでしょう。それはマットの上でヨガをしている時だけではなく、日常的にも大切なことですね。
体にあったポーズの修正法を習得
イシュタヨガはポーズに体を合わせるのではなく、体に合うポーズの形を探していきます。
自分を見つめ体や心の状態を受け入れて、それぞれに合った修正法を習得できるのです。
血行促進、基礎代謝や免疫力を高める
ヨガには血行促進効果があるといわれています。
イシュタヨガでダイナミックなポーズをとれば、体の巡りはスムーズに、全身がイキイキとするでしょう。
ダイナミックな動きでの筋力アップは基礎代謝や免疫力サポートにも役立ちます。
イシュタヨガが向いている人

イシュタヨガは運動量が多いため、体を動かすことが好きな人に向いています。
個々に合わせて呼吸やポーズが取れるように指導されるので、他のヨガのクラスで周りに合わせて無理をしてしまうという人にもおすすめです。
自宅で実践!イシュタヨガYouTube動画
イシュタヨガミニクラス。ポーズひとつひとつの細かいポイントがわかるので初心者さんにもおすすめ!
太陽礼拝。全身のストレッチ効果、体幹強化に効果的です。
日本のイシュタヨガ第一人者:マック久美子先生
イシュタヨガの創始者アラン・フィンガーに師事。アランの意思を受け継ぎ、2001年に「ビーヨガジャパン(Be Yoga Japan)」を創設しました。
2011年にはイシュタヨガ指導者の最高峰とされるヨギラジの称号を授かっています。
こちらのインタビューでマック久美子先生はイシュタヨガについて次のように話されています。
- ヨガは誰にでもできる、誰にでも楽しめる
- アライメントに体を合わせるのではなく、体に合ったアライメントを探すことで呼吸がとりやすくなる
- その人に合ったアライメント、呼吸法、瞑想法を選んでいく
- 疲れているからヨガをしないのではなく、疲れていてもできるヨガは何かを知ることが大切
- ヨガをベースにしてバランスを取り戻すことがヨガの真髄である
まとめ
外側への意識でまわりと比べることから少し離れ、ゆったりと自分と向き合えるのがイシュタヨガです。
ヨガを実践する上で、教室では周りの人と自分のポーズを比べてしまうという方にはオンラインヨガもおすすめ!
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