心を解放させるヨガの腹式呼吸のやり方

腹式呼吸のやり方は文字通りお腹を使いますが、意外と正しいやり方が身についていない方が多いです。
ヨガの基本的な呼吸法である腹式呼吸を身につけることで、リラックス効果を中心にさまざまな効果を実感しやすくなりますよ。
ヨガの腹式呼吸の正しいやり方や身につけ方、効果についてご紹介します。

監修インストラクター:Natsumi先生
全米ヨガアライアンス RYT200、大企業向けのヨガレッスンや施設等でもクラスを担当。幼少期からクラシックバレエに打ち込み、日本大学藝術学部卒業後、渡米しコンテンポラリーダンスを中心に舞台活動をしていました。ボディバランスが整うことをテーマにレッスンを指導しています。
目次
ヨガの基本的な呼吸法「腹式呼吸」とは
ヨガの基本である腹式呼吸について、正しい呼吸法や胸式呼吸との違い、どのような効果をもたらすのかについてご紹介します。
ヨガ以外でも音楽やスポーツで行われる呼吸法
腹式呼吸は、ヨガに限らず音楽やスポーツなどあらゆるジャンルで使われている基本の呼吸法です。鼻から吸って鼻から吐く腹式呼吸により、全身に酸素が巡りやすくなり、血液循環がよくなります。
体を動かしているとき以外でも、日常生活で自然と身につけている呼吸法ですが、ストレスなどの負荷により浅い呼吸が身についてしまうと、腹式呼吸のコツがつかみにくいことも。
ヨガは腹式呼吸を意識しながら行うので、呼吸の効果をダイレクトに受けることができます。
腹式呼吸による深い呼吸を身につけると、肋骨に付着している呼吸筋や自律神経とつながりのある横隔膜をしっかり動かせるようになり、リラックス効果を高められますよ。
ピラティスの胸式呼吸との違い
胸式呼吸で行う、代表的なフィットネスはピラティスです。インナーマッスルに働きかけるフィットネスであり、ボディメイク効果があります。
ピラティスの呼吸法である胸式呼吸は、お腹を内側に引っ込めたドローインの状態を保ちながら、胸に酸素を取り入れる呼吸法です。
ヨガで行う腹式呼吸とは異なり、常にお腹に力が入っている状態なので、腹横筋と呼ばれる深層筋にアプローチできます。
鼻から吸って鼻から吐く腹式呼吸では、おなかのふくらみを意識しますが、鼻から吸って口から吐く胸式呼吸では、お腹の締まりに意識を向けます。
胸式呼吸の方が負荷がかかるので、ピラティスや筋トレなどエクササイズで使われる呼吸法です。
腹式呼吸のうれしい効果
腹式呼吸を身につけるとどのようなうれしい効果があるのでしょうか?代表的な効果を3つご紹介します。
メンタルバランスが整えられる
腹式呼吸による深い呼吸により、メンタルバランスが整えられるようになります。ヨガ中だけではなく、日常生活でも意識することで、ストレスを感じにくくなります。
自律神経に働きかけて心身を落ち着かせる
自律神経を整えるためには、呼吸法を身につけてコントロールすることが大切です。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、日中の活動的な時間帯は交感神経が優位に、夜になると眠りのために副交感神経が優位になるような仕組みです。
しかし自律神経が乱れると、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなり、ストレスをためこんだり心身共に疲れが取れにくくなったりします。
腹式呼吸を身につけると、自律神経の乱れが整えられるようになり、メンタルバランスが保たれますよ。
具体的には、日中の活動時間中は集中力が高まりストレス耐性が身につく、やる気がでるなどです。反対に夜の時間帯は心身が落ち着き、寝つきがよく、リラックスして眠ることができるようになります。
冷え性改善
腹式呼吸は内臓の機能を活性化させます。全身の血流をよくする効果があるので、冷え性改善に効果的です。
腹式呼吸と同時に冷えやすい部分を動かすと、冷え性が改善されやすくなりますよ。
脂肪燃焼効果
腹式呼吸により血流がよくなると、自然と代謝が上がります。代謝が上がった体は、運動をしなくても自然とカロリー消費をしやすくなり、脂肪燃焼効率がアップしますよ。
さらにリンパの流れもよくなり、デトックス効果による体重の減少やむくみの解消にも役立ちます。
【パターン別】正しい腹式呼吸のやり方

2パターン別に正しい呼吸のやり方をご紹介します。腹式呼吸に慣れてきたら、ヨガの瞑想を通じて呼吸を深めるのもアリです。
座って行う基本の腹式呼吸の方法
- あぐらの状態で骨盤を立てて背骨を伸ばす
- 両手はひざの上に乗せ、手のひらを上に向け、人差し指と親指をつけて輪っかを作る
- 残りの3本指は軽く伸ばす
- 鼻から大きく息を吸って、口から吐く
- 片手をお腹にあてて鼻から吸いながらお腹をふくらませ、吐くときはお腹をへこませる
- お腹の動きを感じながら10回ほど呼吸を続ける
息を長く吐き切ることで、新鮮な酸素を取り入れやすくなります。腹式呼吸のコツがつかめてきたら、手を元の位置に戻しましょう。
腹式呼吸では吐く方に意識を向けます。息を吐く動作で筋肉の緊張やこわばりがほぐれたり、高ぶった神経を落ち着かせたりすることができますよ。
寝ころんだ状態で行う腹式呼吸の方法
「座った状態だとイマイチコツがつかみにくい」と感じる方は、仰向けに寝ころんだ状態で行いましょう。仰向けで腹式呼吸を行うと、余分な力が抜けやすくなりコツがつかみやすくなります。
- 仰向けに寝ころび、両足は足幅に開く
- 手のひらを上に向けて、呼吸を行う
初めは片方の手のひらをお腹にあてて、お腹の動きを確認しながらでも構いません。
さらに呼吸を深めるために、吐く時間を吸う時間の2倍をかけて行いましょう。深い呼吸をマスターできると、リラックス効果が高まります。
まとめ
ヨガを行ったことがある方は、インストラクターの指示によりなんとなく腹式呼吸が身についていると感じています。しかしヨガの途中で呼吸よりもポーズに意識が向けられてしまい、呼吸が疎かになることも。
ヨガで大切なことは、正しいポーズよりも無理なく続けられる深い呼吸です。リラックス効果やメンタルバランスなどの効果をより実感できるよう、腹式呼吸を大切にしてくださいね。