指の運動メニュー10選|認知症予防に◎

超高齢化社会である日本。平均寿命は伸び、長く健康に生きるための健康寿命に注目が集まっています。
健康寿命を伸ばすには、体だけでなく脳の健康も大切です。特に認知症予防のため、運動や食事に気をつける人は増加傾向にあります。
そこで今回は、認知症予防に効果的な「指の運動」をご紹介します。
体力がない、時間がなくても簡単にできる運動なので、身も心も健康な体を目指し、毎日の生活に取り入れてみましょう。
指の運動をするメリット・効果とは?
まずは、指の運動をすることによるメリットや効果についてご説明しましょう。指の動きは、脳に大きな刺激を与えることがわかっています。
脳を活性化、認知症予防に!
指や手は「第二の脳」と呼ばれます。なぜなら、指には脳につながる神経が多く存在し、動かすことで脳を刺激し、活性化することができるためです。
大脳は、その3分の1を指や手の動きと感覚に費やしているとも言われています。
脳の働きの大きな部分を占める指や手をよく動かすことで、脳は大きな刺激を受け、それが認知症予防に繋がるのです。
体への負担が小さく高齢者にも
指の体操は、体への負担が小さいこともメリットです。
ランニングやウォーキング、筋トレなどが体にいいと言われても、誰もがそれだけの体力を持つわけではありません。特に高齢者にとってのハードルは高いでしょう。
しかし、指の体操なら動かすのは指先だけ。体を大きく動かして辛い思いをしたり汗をかいたりせず、座ったままで実践できます。
高齢者や体に不安がある人も、チャレンジしやすいですね。
いつでもどこでも行える
指の運動に必要なのは、自身の指先だけ。広い場所や特別な道具は必要ありません(輪ゴムがあれば運動の幅は広がります)。
いつでもどこでも気づいた時に行えるので、続けやすいのが魅力です。
脳を活性化する指の運動10選
ここからは、脳を活性化し認知症予防に役立つ指の運動メニューを10種ご紹介します。
それぞれ決まったセット数はありませんが、自分に適した5分程度のメニューを組み、無理のないように続けましょう。
①指出し体操
指出し体操は、指で数字を出す動作と腕を前後に出す動作を同時に行う体操です。前へ出す腕と指はよく伸ばすよう意識し、リズム良く行いましょう。
指出し体操のやり方
- 両手をこぶしの状態で胸の前へ出す。
- 右手人差し指で1をつくって手を前へ出す。
- 胸の前に右手を戻し親指を立てておくと同時に、左手人差し指で1をつくって手を前へ出す。
- 胸の前に左手を戻し親指を立てておくと同時に、右手で2をつくって手を前へ出す。
- 2、3、4、5と左右交互に繰り返したら、今度は逆に5、4、3、2、1と指の数を減らしていく。
②指折り体操
指折り体操は、指を折りながら数字を数える体操です。口に出して数字を数え、数字を示す指以外の指が曲がらないよう注意しましょう。
指折り体操のやり方
- 親指から順に、1、2、3と数を数えながら指を曲げていく。
- 5まで数えたら、反対側の手で繰り返す。
③指離し体操
指離し体操は、合わせた指を順に離していく体操です。
他の指が離れないよう気をつけながら、対の指を離していきましょう。薬指の動作がやや難しいので慎重に。
指離し体操のやり方
- 両手の指先を合わせる。
- 合わさった指を親指から小指まで順番に1本ずつ離していく。
- 小指まで離れたら、今度は小指から親指まで順番に行う。
④指回し体操
指回し体操は、両手の指先を合わせ、対の指を順にクルクルと回していく体操です。
回している指同士がぶつからないよう気をつけ、指同士が追いかけ合いをしているような感覚で行いましょう。
指回し体操のやり方
- 両手の指先を合わせる。両手のひらの間に空間を作っておく。
- 親指から順に、左右の指を回していく。指同士が当たらないよう、他の指が離れないよう気をつける。
⑤グーパー体操
グーパー体操は、両手の指をグーとパーの形に大きく動かす体操です。
親指の位置を入れ替えることで難易度が上がっているので、間違わないように頭を使いながら行いましょう。
グーパー体操のやり方
- 両手の指を大きく開き、パーの形にする。
- 両手の指をこぶしにする。この時、右手の親指は外に、左手の親指は内に入れる。
- 再度、両手をパーの形にする。
- 再度、両手をこぶしにする。この時、右手の親指は内に、左手の親指は外に出す。
- 繰り返す。
⑥親指を使う対立体操
親指と他の指を順に合わせていくのが、親指の対立体操です。指同士をしっかりとくっつけるよう意識してください。
指示者の指示に従って、合わせる指を決めるのも○。難易度が上がり、より脳が活性化されます、
対立体操のやり方
- 親指と人差し指を合わせる。
- 指を離し、今度は親指と中指を合わせる。小指まで順に合わせていく。
- 小指から親指方向へ行ったり、反対の手や両手で行ったりと、バリエーションを入れながら行う。
⑦四角を作るタテヨコ体操
タテヨコ体操は、親指と人差し指を使って四角をつくり、左右の手の向きを入れ替えていく体操です。タテヨコ体操は指の運動としてだけでなく、手首の柔軟性アップにも効果的です。
タテヨコ体操のやり方
- 両手の親指と人差し指を、それぞれ90度になるよう開く(親指は前へ、人差し指は上へ、Lの字を作るようにする)。
- 左右の親指と人差し指を合わせ、胸の前で四角を作る。
- 四角を保ちながら、リズムよく左右の手の向きを入れ替えていく。
- 手の向きを変え、横長の四角と縦長の四角を織り交ぜながら、繰り返す。
⑧ジャンケン体操
ジャンケン体操は、腕を大きく振りながら、両手をジャンケンの要領で動かしていく体操です。前にくる手が勝つというルールを意識し、動きが止まってしまわないよう、リズミカルに行いましょう。
ジャンケン体操のやり方
- 腕を前後に振りながら、前にきた手がパー、後ろにある手がグーになるよう、手を動かす。前にきた手が勝つよう意識する。数回繰り返す。
- 次に、前にきた手がグー、後ろにある手がチョキになるよう、同様に繰り返す。
- 次に、前にきた手がチョキ、後ろにある手がパーになるよう、同様に繰り返す。
⑨足し算体操
足し算体操は、決められた数字を指で作っていく体操です。リズムを崩さないようスムーズに指を出さなければならないので、やや難易度は高め。落ち着いて脳をよく動かしながら行ってみましょう。
足し算体操のやり方
- 右手のこぶしで左手のひらを、左手のこぶしで右手のひらを順にトントンとリズム良くたたく。この時に、自身で、もしくは支持者が数字を決め、口に出す。
- 決められた数字をリズムを崩さずに両手の指で作って出す。
- 「トントン数字」のリズムで、数字を変えながら繰り返す。
⑩輪ゴム体操
輪ゴム体操は、輪ゴム1本を使って行う指の体操。落とさないよう、輪ゴムを指から指へと順に渡していきます。まずは利き手から始め、慣れてきたら反対の手、両手でもチャレンジしてみてください。
輪ゴム体操のやり方
- 親指に輪ゴムをかける。
- 輪ゴムの下から人差し指を入れるようにして、親指から人差し指へ輪ゴムを渡す。
- 同様にして、人差し指から中指へ輪ゴムを渡す。
- 親指から小指へ順番に繰り返す。
- 小指まで渡ったら、今度は小指から親指まで順に輪ゴムを渡していく。
指の運動で実践したい3つのポイント
指の運動を行う際には、以下にご紹介する3つのポイントを実践しましょう。ポイントを押さえることで、より効果的な運動が行えます。
ポイント1:指の運動に口の動きをプラスして難易度アップ
指の運動に慣れて余裕が出てきたら、指の動きに口の動きをプラスしてみましょう。
まずは、指の動きに合わせて「1、2、3」と数字を数えることからはじめ、慣れてきたら早口言葉にも挑戦してみましょう。やや体操の難易度は上がりますが、その分、脳への刺激アップが期待できますよ。
早口言葉のレベルを上げながら、目標を持って楽しむのもおすすめです。
ポイント2:指の運動は毎日5分から
指の運動は、毎日5分程度行うようにしましょう。
運動時間があまりに短すぎると効果が弱まり、長すぎると続かなくなったり指が疲れたりしてしまいます。5分程度なら時間を確保しやすく、疲れていても実践しやすいですね。
ただし、体調やスケジュールによっては無理をせず、短時間あるいは長時間の日があっても構いません。習慣として毎日続けることが大切です。
ポイント3:指の運動の最後にはストレッチを
指の運動を行った後には、ストレッチで運動した指のケアを行いましょう。
各指を軽く揉むほか、指先を反対の手で甲側に押したりして、指をストレッチしていきます。手のひらや手の甲をマッサージするのも効果的です。特に親指は指の運動でよく使われる部分なので、念入りに行ってください。
また、自己流でのストレッチはあくまで軽めに行い、ストレッチしすぎたり強い力をかけたりしないよう気をつけましょう。やりすぎは指を痛める原因になります。
まとめ
指の運動は簡単で手軽ですが、しっかりと脳を活性化させてくれます。忙しい人も体力に自信がない人も、ちょっとした隙間時間の指の運動を習慣づけましょう。
指の運動で活性化されたクリアな脳は、生活をより健康的に楽しくしてくれますよ。