基礎代謝が高い人の特徴は?代謝がいいメリットをプロが解説

「なんだか気づいたら体重が増えてしまった。」
基礎代謝が落ちたからかダイエットをしてもなかなか体重が落ちなくなってしまったかも…と悩んでいませんか?
この記事では、プロのパーソナルトレーナーが基礎代謝が高い人の特徴や下がる原因、高いことによるメリット、高めるための効果的な方法について詳しく解説します。

監修者:パーソナルトレーナー藤本千晶
CSCS*D、スポーツ科学修士取得。食事指導や姿勢評価、トレーニングなど女性のダイエット専門パーソナルトレーナー、オンラインダイエットコーチとして活動している。
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目次
基礎代謝とは?

そもそも基礎代謝とは、生命を維持するのに必要な最小のエネルギー代謝のこと(広辞苑第七版)。
人は運動をしなくても脳や心臓を動かすためにエネルギーを使っており、生命維持に必要不可欠なエネルギー代謝量のことを基礎代謝と呼びます。
1日全体の消費エネルギー量は基礎代謝と身体活動量、食事誘発性熱産生の合計のことをいいます。※1
基礎代謝は1日全体の消費エネルギー量の一部でしかありません。
身体活動量とは
身体活動量とはウォーキングやジョギングのほか、洗濯やお掃除、料理、ただ立つ、座るといったことで消費されるエネルギー量のこと。日常生活動作やエクササイズなどで消費されます。
食事誘発性熱産生とは
食事誘発性熱産生は食事をした後、安静にしても代謝量が増加する現象のことで、食事の分解・吸収によって利用されるエネルギー量のことです。※2
よくある勘違いとして、体重を落とす場合は基礎代謝以下の摂取エネルギー量にしなければいけないということがあります。
しかし、体重を落とす場合は「1日の総消費エネルギー量」以下の摂取エネルギー量にすればよく、「基礎代謝」以下にする必要はありません。
摂取エネルギー量を基礎代謝以下にすることは全くおすすめできません。しっかりと区別しましょう。
基礎代謝が高いメリットは消費エネルギー量が増えて痩せやすくなる

基礎代謝が高いメリットは、消費エネルギー量が増えて痩せやすくなる点です。体重を減らすためには、摂取するエネルギー量を消費するエネルギー量以下にする必要があります。
消費するエネルギー量が高ければ高いほど、体重が落ちやすいと考えられますし、いろいろな食事を食べやすくなります。基礎代謝が高いのは、ダイエットにおいて有利になるのです。
基礎代謝が高い人の特徴
基礎代謝が高い人の特徴として、以下の点が挙げられます。
- 栄養バランスの良い食事をしている
- 体脂肪率が低く筋肉量が多い
- 十分な睡眠をとっている
- 極端な体重の減少がない
要するに健康に良い生活習慣をしているかどうかが大切で、上記の特徴がそろっている人は基礎代謝が十分に高まった状態と考えられます。
一方、基礎代謝は筋肉量が落ちなくても何らかの原因で下がる可能性があります。
例えば短期間で極端なダイエットをすると必要な栄養素が足りなくなり、基礎代謝が下がってしまう可能性も。その結果、停滞期が起こるのです。
基礎代謝を上げる努力よりも、下げない努力をすることが適切です。
筋肉を増やせば基礎代謝が上がる?
基礎代謝は大きく増加させることはできません。
例えば、効果的と言われる筋肉量を増加させるといった方法でも、厚生労働省の資料※3によると筋肉量を1kg増やしても1日に13kcalの消費エネルギー量が増加するのみ。
13kcalはご飯茶碗1/20杯分です。筋肉量1kgを増やすには運動初心者でも数ヶ月筋トレを継続しなければなりません。
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基礎代謝が下がり太りやすくなる原因とは?
基礎代謝が下がり、太りやすくなるのは5つの原因が考えられます。
- 極端な減量
- 栄養バランスの悪い食事
- 睡眠不足
- 筋肉量の低下
- 加齢
それぞれ詳しく解説します。
極端な減量
最も多いのが極端な体重の減少によって基礎代謝が下がるケース。体が自分を守ろうとして基礎代謝を下げて体重の減少を食い止めます。
代謝とは生物が外界と物質をやり取りし、化学反応によって生命活動に必要な物質やエネルギーを取り出すこと(広辞苑第七版)。
例えば、体内のたんぱく質などを合成して筋肉を作るのも代謝ですし、脂肪を分解するのも代謝です。
代謝をすること自体にエネルギーが必要になりますが、摂取するエネルギー量が少ないと活発に代謝を起こせません。
急激に体重が減少している状態は、摂取するエネルギー量が大きく不足しています。代謝を低下させて消費するエネルギー量を減少させようと体が働くと考えられます。
栄養バランスの悪い食事
栄養バランスの悪い食事は基礎代謝を低下させて、太りやすくなると言われています。
代謝にはエネルギーだけでなくビタミンやミネラルも必要。ビタミンB群などはタンパク質、脂質、炭水化物の代謝を助ける働きがあります。
不足してしまうことで体内で代謝が十分に行われず、消費エネルギー量が低下しやすくなります。
睡眠不足
睡眠不足も基礎代謝を低下させてしまう原因です。長い時間起きているためのエネルギーを確保するために、基礎代謝を低下させ体力を温存しようと体が適応すると考えられます。
寝ているときよりも起きているときの方が、より多くの消費エネルギー量が必要です。エネルギー不足に備えるため、人間は代謝を低下させて消費エネルギー量をできるだけ節約するように変化させるようです。※4
筋肉量の低下
筋肉量は影響が小さいながらも基礎代謝低下の原因のひとつ。筋肉量は増やすことが難しく、一定以上の運動習慣がなければ自然に減少します。
筋肉量が低下すると脂肪を落としても体は引き締まりにくくなり、以前と比べて痩せにくくなったと多くの人が感じます。
加齢
若い間は体を成長させるため、体内で積極的に代謝が行われるので基礎代謝が高く、年齢を重ねるごとに低下します。
年齢を重ねると成長は止まり、さほど代謝させなくても生命を維持できます。年齢に関しては仕方がありませんが、年齢以下の数値にならないよう基礎代謝を最大限に高めておきましょう。
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基礎代謝はどれくらいで高いの?
基礎代謝はどこから高い・低いと言えるのでしょうか?結論からお伝えすると、自分の基礎代謝が高いか低いかを直接確認するのは不可能で、どんな生活習慣を送っているかが重要になります。
具体的に基礎代謝でどれくらいエネルギーを消費しているのかと、自分が高いか低いかを確認するための方法について解説します。
基礎代謝の計算方法
基礎代謝がどれくらいなのかは、体重×基礎代謝基準値という式を使って計算できます。
基礎代謝基準値とは「体重1kgあたり1日にどれくらい基礎代謝で消費するか?」という値です。
厚生労働省の基準では、18歳〜69歳の基礎代謝基準値を男性:24.0〜21.5、女性:22.1〜20.7としています。※3
体重60kg・女性の場合
18〜29歳の女性であれば、基礎代謝基準値は22.1kcal/kg/日になり、体重60kgであれば以下の計算ができます。
【60(kg) x 22.1(kcal/kg/日) =1,326(kcal/日)】
30-49歳の女性であれば、基礎代謝基準値は22.3kcal/kg/日になり、体重60kgであれば以下の計算ができます。
【60(kg) x 22.3(kcal/kg/日) = 1,338(kcal/日)】
個人差や生活習慣などさまざまな要因により変化するため、正確な数字にはなりませんが目安としてとらえておくと良いでしょう。
自分が高いか低いかを直接確認するのは不可能
基礎代謝を自分で高いか低いかを直接確認することは不可能です。
例えば自宅の体重・体脂肪率計で測定したら算出される基礎代謝は、測定された体重や体脂肪率、筋肉量などから算出されますが、正確な値とは言いがたいのです。
学術研究用で正確な体脂肪率測定方法と家庭用の体脂肪率計を比較すると、測定誤差は最大で8%程度誤差が出ると考えられています。※5
本来は体脂肪率が15%なのに23%と出てしまう可能性があるということ。それくらいに誤差は出てしまいます。正確に測定するためには大学などの研究機関などで測定を行うことですが、現実的ではありません。
自分の基礎代謝が高いのか?低いのか?をチェックするためには自分自身の生活習慣と照らし合わせてみてください。
十分な食事と運動を定期的にして、筋肉量を保てているかをチェックしながら自分の基礎代謝を把握しましょう。
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下がった基礎代謝を高めるための効果的な4つの方法

下がった基礎代謝を高めるために効果的な4つの方法を紹介します。
- 体重を落とす場合はゆっくり
- 7時間以上の睡眠
- 栄養バランスの摂れた食事
- 定期的な運動習慣を身につける
年齢により下がる基礎代謝を防ぐのは難しいですが、下がりつつある基礎代謝を今よりも高められるでしょう。
体重を落とす場合はゆっくり
ダイエット中に体重をゆっくりと落とせば、代謝にとって必要なエネルギーを確保しつつ減量できます。
減量速度の目安はひと月に4%以下。世界最大のトレーニング指導・科学者団体のNSCAは1ヶ月に減量する速度は今の体重の4%以内にすることを推奨しています。
体重60kgの人であれば2.4kg。これ以上の速度で落とすと、栄養不足で代謝が低下する可能性が高まりますので注意してください。
7時間以上の睡眠
7時間以上の睡眠時間は基礎代謝を下げないためにとても大切です。その理由は、活動時間のエネルギーを確保するために基礎代謝を下げなくてすむようになるからです。
睡眠時間を長く摂ることはスケジュールの調整を頑張らないといけませんが、代謝のためだけでなく、脳や筋肉量を保つなど健康のために最もコストがかからず確実な方法です。
栄養バランスの摂れた食事
栄養バランスの摂れた食事は代謝に必要な栄養素を確保し、ムダに代謝を下げることがなくなります。
体重を落とすには、たんぱく質・脂質・炭水化物といった三大栄養素の摂取量が大切です。ほかにも三大栄養素のスムーズな代謝を助けるビタミン・ミネラルも重要。
ビタミンやミネラルはお肉やお魚にも含まれていますが、野菜や海藻にも違う種類のビタミン・ミネラルが含まれています。普段から野菜や海藻を毎食とることを意識しましょう。
定期的な運動習慣を身につける
筋肉量を維持するためには何よりも運動が大切です。どれだけ睡眠時間や栄養をとっていても、運動による筋肉への刺激がなければ徐々に減少してしまいます。日常的に運動習慣を身につけて筋肉に刺激を与えましょう。
必ずしも筋トレではなく、体力がない人はちょっとした散歩や早歩きでもいいので、意識して運動する時間をつくるといいですね。
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基礎代謝が高まったとしてもリバウンドはする。大切な事は生活習慣

良い生活習慣を身につけて基礎代謝が十分に高まったとしても、永久に太らないわけではありません。元の生活習慣に戻ってしまうと基礎代謝は下がり、体重も体型も元通りです。
リバウンドをしないことが目的で、基礎代謝を高めたいという方も多いと思いますが、ただ基礎代謝を高めればリバウンドをしないかといったらそんなことはありません。
1日に消費するエネルギー以上に食べすぎてしまえば体重は増加しますし、健康的ではない食生活をしていると代謝が低下し、さらに太りやすくなってしまいます。
見直すことは自分自身の生活習慣で、太りにくい生活習慣を作っていけば結果として代謝は増加し、体重も減少、体力も向上してスッキリとした体型に変化します。
基礎代謝を上げるために水を飲んだり、食事をよく噛んで食べるなどの方法が推奨されることがありますが、仮に効果があったとしても一時的なもの。
生活習慣以上に基礎代謝があがることはありません。まずは自分自身の太る生活習慣を見直して、健康的な体を手に入れましょう。
まとめ
年齢や運動不足から代謝が下がって太りやすくなったと感じる方は多いと思いますが、基礎代謝の低下は生活習慣にも問題があります。
逆に言えば睡眠や食事、運動をしっかりと行うことで基礎代謝を高めて、痩せやすい体質と生活習慣が身につきます。
一時的な体重の増減にとらわれず、一生健康的で美しいスマートな体型を作り上げていきましょう。
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【参考文献、ページ】
- 身体活動とエネルギー代謝 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
- 食事誘発性熱産生 / DIT | e-ヘルスネット(厚生労働省)
- 加齢とエネルギー代謝 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
- SPAETH, Andrea M.; DINGES, David F.; GOEL, Namni. Resting metabolic rate varies by race and by sleep duration. Obesity, 2015, 23.12: 2349-2356.
- LICHTENBELT, W. D. V. M., et al. Body composition changes in bodybuilders: a method comparison. Medicine & Science in sports & exercise, 2004, 195.9131/04: 3603-0490.