三日月のポーズの効果とやり方|できない人向け軽減法

三日月のポーズは骨盤調整などに効果的なヨガポーズの定番。しかし、三日月のポーズで股関節や膝の痛みが気になる、両手を上げるのがつらくてできないという方も多いかもしれません。三日月のポーズは後屈ポーズでもあるため、間違った方法で行うと腰痛の原因になる可能性も。
三日月のポーズの効果から、効果的なやり方や腰を痛めないためのコツ、できない原因と軽減法を解説します。

監修者:タイ式ヨガインストラクターちりん
ロコモゼロトレーナー、日本ルーシーダットン普及連盟SVインストラクター、日本プロカウンセリング協会一級心理カウンセラー。ダイエット検定一級取得。SOELUでタイ式ヨガルーシーダットンレッスンを担当。自身が運営するオンラインレッスンではファスティング講座や認知症予防講座も開き幅広く活動している。
目次
ヨガの三日月のポーズで得られる3つの効果

三日月のポーズを継続することで次の3つのような効果が期待できます。
- 骨盤の歪みを整える
- 鼠径リンパの流れを促す
- 呼吸が深まって心身が整う
三日月のポーズの効果について、オンラインヨガSOELUインストラクター・ちりん先生に詳しく解説していただきました。
骨盤の歪みを整える
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三日月のポーズが骨盤調整に良いといわれるのはなぜですか?
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三日月のポーズには股関節の柔軟性を高める効果と、上半身と下半身を結ぶ腸腰筋という筋肉をストレッチする効果があるからです。

腸腰筋はまっすぐ立つ姿勢を保持したり、歩く走るなど太ももを引き上げる時に使われる筋肉です。長時間のデスクワークなど座ったままの姿勢が続くと、腸腰筋が縮んで硬くなってしまい骨盤を支える力が弱くなってしまいます。
腸腰筋が硬くなると、骨盤が後傾して猫背でぽっこり下腹に。逆に骨盤が前傾してしまうと反り腰に、というように骨盤の歪みが生じてしまいます。
三日月のポーズで縮んで硬くなった腸腰筋を伸ばし、骨盤を正しい位置に戻していくことが骨盤の歪みを調整につながるというわけです。
ダイエットにも効果的?
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三日月のポーズで痩せるって本当ですか?
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三日月のポーズが痩せると言われている理由は、鼠径リンパの流れがよくなるからではないでしょうか。お身体の内側からも外側からも整えていけるポーズだと思います。
鼠径リンパのつまりは、下半身太り、冷え、むくみ、セルライトなどの不調の原因になりますから、鼠径リンパの流れがよくなることで、体内に溜まった水分や老廃物が排泄され、むくみ対策や代謝の向上などが期待できます。
三日月のポーズによる骨盤調整効果もダイエットのプラスになると考えられますね。骨盤後傾が原因のぽっこり下腹、骨盤前傾が原因の太ももの張りなど、骨盤の歪みが原因でスタイルが悪く見えてしまっている場合、骨盤調整により姿勢が整うことで美ボディメイクにつながります。
呼吸が深まって心身が整う
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三日月のポーズは胸を大きく開く後屈要素があるポーズですが、胸を開いて呼吸が深まることにより、どんな効果が期待できますか?
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呼吸が深まると次のような効果が期待できます。
- 血流促進
- 免疫力サポート
- 冷え症
- 肩こり
- 新陳代謝UP
- ストレスの緩和
- 自律神経が整えられる
三日月のポーズのやり方
三日月のポーズを行う前に裏腿をストレッチできるヨガポーズを行うと、三日月のポーズ時に起こりやすい裏腿のこわばりによる骨盤後傾が解消し、ポーズをとりやすくなります。事前に「ダウンドッグのポーズ」や「仰向けで足の親指を掴むポーズ」を行うと良いでしょう。

1. 両膝を腰幅に開いたよつばいから右足を両手の間に、左膝を少し後ろに引き、足の甲を寝かせる。足の甲でマットを押し、踵を天井に向けておく。右と左の内腿を寄せ合い、腿を締める。

2. 前に出した太ももの上に両手を置き、息を吸って上体を持ち上げる。両手を腰に添える
ここがポイント!
骨盤はニュートラルポジションに近い状態。裏腿の筋肉が硬くなっていると、裏腿の筋肉に引っ張られて骨盤が後傾しやすいです。ここで腰に違和感を感じる場合は、膝の位置を調整してみましょう。

3. 息を吐きながら腰を落とす。このとき前の膝は足首の真上に、顎を軽く引き上げる。息を吸いながら両手を上げ、息を吐いて肩の力を抜き、胸を開くように意識する。3〜5回深呼吸してポーズをキープする
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三日月のポーズのコツや注意点

三日月のポーズのコツや注意点をオンラインヨガSOELUインストラクター・ちりん先生にお伺いしました。
腰を無理に反らすと腰痛の原因に
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三日月のポーズで腰を痛めないための方法を教えてください。
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三日月のポーズでは身体を反らすことを意識しすぎて、骨盤を前に倒して腰を反らせすぎてしまうと、腰を痛めてしまうので注意が必要です。次の3点を意識すれば腰への負担を減らせます。
- おへそを内へ引き込むようにお腹に力を入れて、恥骨を引き上げる
- 尾骨を床に向けるよう意識をし、骨盤をしっかりと立てておく
- 腰を反らすのではなく、お腹に力を入れたまま背骨全体を伸ばす
肩の力みと膝の使い方にも注意
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反り腰以外で注意するべき点はありますか?
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肩で頑張る癖のある場合、肩に力が入って上がってしまいます。いかり肩にならないように気をつけて、腕を上げたときに肩と首の間に隙間を作っておきましょう。
前の足の膝は足先よりも前に出ないように、足首の上に膝がくる位置でキープします。後ろの足は足の甲でしっかりとマットを押し、膝にばかり体重が乗らないようにしましょう。
三日月のポーズができない原因と軽減法

三日月のポーズができないケースでとくに多いのが、膝や股関節の痛み、そして両手を上げた状態がきついというケースです。それぞれの原因、解決策をお伝えします。
膝が痛い場合は膝の下にブランケットを敷こう
三日月のポーズでは腰を落としたときに、膝に体重が乗って痛みを感じるケースがあります。この場合、ヨガマットが薄いのが原因かもしれません。膝の下に折りたたんだブランケットや分厚いバスタオルを敷いてみてください。
股関節が痛い場合は前後の足幅を狭く調整
運動不足や体が硬くて股関節が硬くなっていると、三日月のポーズで腰を落としたときに股関節に痛みを感じる場合があります。後ろに伸ばした足を一歩前に戻してみてください。前後の足幅が狭くなることで、股関節を無理なく伸ばせます。
また、股関節まわりの筋肉をストレッチするポーズを日頃取り入れてみてください。合蹠のポーズなどが良いでしょう。
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両手を上げるのがつらい場合は腰に手を添えてもOK
両手を上げてポーズをキープするのがつらいという声も多いです。とくに肩こりがひどい、体幹が弱くてグラグラしてしまうと両手を上げるのがきつく感じます。
まずは腰に両手を添えた状態でポーズをキープし、少しずつ体幹を鍛えていきましょう。肩こりがひどくて両手を上げるのがつらい場合は、肩こり解消に効果的なヨガポーズも取り入れてみてください。
関連記事:ヨガの肩こり改善ポーズ8選|肩甲骨周りに効かせるストレッチ
三日月のポーズの特徴と由来
三日月のポーズは、片膝を床につけて行う後屈のポーズです。三日月のポーズには呼び名がいろいろあります。
三日月のポーズの呼び名
- サンスクリット語:アンジャネーヤアーサナ
- 日本語:三日月のポーズ
- 英語:ローランジ
ヨガのレッスンではサンスクリット語、日本語の呼び名が使われることが多いです。元々の由来は、インドで猿神として崇められているハヌマーンの別名称からきています。日本ではポーズが三日月をイメージさせるという由来が有名です。
ねじった三日月のポーズ(バリエーション)
三日月のポーズのバリエーションとしては、ねじった三日月のポーズ(後ろ足の膝を床につけないで行います)があります。お腹をねじることで大腸の蠕動運動(便を体の外に押し出していく腸の動き)を促進し、便意を促すこともできますので、便秘でお悩みの方のヨガポーズにもおすすめです。
後ろ足の膝を床から浮かせて行うハイランジのアレンジで強度は基本のポーズよりも高くなるので、基本ポーズが安定するようになってからチャレンジしてみてください。
三日月のポーズの禁忌
高血圧、心臓疾患、膝・腰・首・肩の問題がある方は三日月のポーズを控えましょう。
三日月のポーズで体を心地よく伸ばそう
三日月のポーズは全身を心地よく伸ばせるポーズです。股関節がじんわり伸び、ほぐれる感覚は、癖になる心地よさ!ぜひ夜ヨガの定番ポーズに取り入れてみてください。
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【参考文献】
アン・スワンソン著, 高尾美穂監修. 『サイエンス・オブ・ヨガ』pp.98-101, 西東社, 2019.
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