ヨガの呼吸法一覧9種類|やり方と効果を初心者向けに解説
ヨガの呼吸法は「プラーナヤーマ」と呼ばれます。サンスクリット語でプラーナは「気、生命エネルギー」、ヤーマは「拡散、広げる」という意味です。現代では心と身体の健康のためにヨガの呼吸法を実践するヨギーが多く、実際にヨガの呼吸法には様々なメリットがあります。
本記事ではヨガの呼吸法9種類のやり方と効果を解説。ヨガ初心者さんでも実践しやすいヨガの呼吸法の種類を中心にまとめました。
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目次
ヨガの基本呼吸法は腹式呼吸と鼻呼吸
ヨガの基本の呼吸は鼻呼吸と腹式呼吸です。アーサナのレッスンでは主にこの二つの呼吸法が使われます。ヨガ初心者さんはまずこの二つを押さえておきましょう。
鼻呼吸
ヨガでは鼻から吸って、鼻から吐く「鼻呼吸」呼吸を推奨しています。鼻呼吸にはウィルスや細菌が体内に入るのを防いでくれるほか、喉の乾燥を抑えるというメリットもあります。
腹式呼吸
吸う息でお腹を膨らませて、吐く息でお腹を凹ませるのが腹式呼吸の基本です。腹式呼吸では横隔膜を上下させることで内臓の活性化や副交感神経を優位にする働き、筋肉をゆるめる効果があります。
腹式呼吸のやり方
- 楽な姿勢になる(座っていても、寝ていてもOK)
- 息を吐き切ってから鼻からゆっくりと息を吸う、お腹が膨らんでいくのを感じる
- 鼻からゆっくりと息を吐き、お腹をへこませていく
吐くときには吸うときの倍くらいゆっくり細く長く吐いていきましょう。お腹に両手を当てるとお腹の動きがわかりやすいです。
ヨガの代表的な呼吸法一覧7種類|やり方&コツ
ヨガの呼吸法には腹式呼吸や鼻呼吸のようにアーサナと合わせて行うもの以外に、呼吸法単体で行うことが多い種類もあります。
- 完全呼吸
- 片鼻呼吸(ナーディショーダナ)
- ウジャイ呼吸
- カパラバティ(火の呼吸)
- シータリー呼吸
- 蜂の音呼吸法(ブラーマリー)
- 肩呼吸法
7種類の呼吸法のやり方と効果を一つずつ見ていきましょう。
完全呼吸
腹式呼吸、胸式呼吸、肩呼吸(鎖骨呼吸)の3つの呼吸をつなげて行う呼吸法です。深い呼吸へと導き身体中に酸素をたっぷりと届けます。脳の活性化や集中力アップに効果的です。
完全呼吸のやり方
- 胡座になり息を吐き切る
- 鼻から息を吸ってお腹を膨らませていき、そのまま胸を広げて吸い続ける
- 肩や鎖骨が少し持ち上がるようにさらに深く息を吸う
- 鼻からゆっくりと細く長く息を吐きながらお腹を凹ませる
- 胸や肋骨を中心に閉じていくように意識し、肩と鎖骨をさげながら息を吐き切る
片鼻呼吸(ナーディショーダナ)
片鼻呼吸法はその名の通り左右の鼻交互に呼吸をする方法です。左の鼻は副交感神経、右の鼻は交感神経と繋がっており、自律神経の乱れを整える効果がある呼吸法として知られています。
片鼻呼吸のやり方
- 胡座になり左手を膝の上に置く※
- 右手の人差し指と中指を眉間にそっと当て、親指で右の鼻をそっと閉じる
- 一度息を吐き切り、左の鼻からゆっくりと息を吸う
- 薬指で左の鼻を閉じて親指を離し、右の鼻からゆっくりと吐く→吸う
- 親指で右の鼻を閉じ、薬指を離して左の鼻から吐く
(※左利きの方は反対で考えてください)
関連記事:自律神経を整えるヨガの呼吸法&簡単ストレッチポーズ5選|初心者OK
ウジャイ呼吸
胸式呼吸の一種で鼻から吸って鼻から吐く呼吸法です。口を閉じて舌先を丸め、吐くときに喉の奥で「シ―」という摩擦音を出していきます。全身を温める効果や集中力アップが期待できます。アーサナと合わせて行われることもあります。
ウジャイ呼吸のやり方
- 胡座になり鼻から大きく息を吸う(胸が膨らむのを感じる)
- 喉の奥を締め、喉の奥の方からゆっくりと鼻から息を吐く
- 吐くときに「シー」と摩擦音を鳴らす
- 2~3セット行う
難しいときは吐くときに口を開けて口から吐くようにして練習してみてください。
カパラバティ(火の呼吸)
火の呼吸とも呼ばれており、全身の巡りにアプローチする呼吸法です。腹筋を強く締めて行います。こちらの呼吸法は妊娠中の方や不安、特定の眼病、高血圧がある方は避けましょう。
火の呼吸のやり方
- 胡座になり一度息を吐き切る
- 鼻から息を吸ってお腹を膨らませる
- お腹を凹ませながら鼻から「フッフッフッ」とリズミカルに強く短く吐く(1秒1回くらいのイメージ)
- 20秒~30秒程度続ける(慣れている方は1分間くらい)
- 2~3セット行う
関連記事:火の呼吸のやり方と効果|脂肪燃焼に役立つヨガの呼吸法?
シータリー呼吸
シータリー=「冷ます」という意味があり、口から吸って鼻から吐く珍しい呼吸法です。真夏の暑い日やホットヨガ後などに体温を下げる効果に加えて、イライラや高まった気持ちを鎮める呼吸でもあります。
シータリー呼吸のやり方
- 楽な姿勢で座って息を吐き切る
- 舌先を丸めて口から息を吸う(ストローの様に丸めると吸うとき「シー」と音が鳴る)
- 口を閉じ、鼻から息を吐く
- 2~3セット行う
蜂の音呼吸法(ブラーマリー)
目と耳を閉じてハミングの音を出しながら呼吸するのが特徴です。ハミングの音が蜂の羽音に聞こえるため、蜂の音と名付けられています。
音の振動を頭蓋骨に響かせ心を落ち着かせる効果があるといわれており、瞑想や睡眠前におすすめの呼吸法です。
蜂の音呼吸法のやり方
- 姿勢を正して座り両目を閉じる
- 親指以外の4本の指で両まぶたを軽く覆う
- 親指で耳の穴を閉じ、ゆっくり息を吸う
- 「ンー」と低いハミング音を出しながらゆっくり息を吐く
肩呼吸法
鼻から吸って口から吐く呼吸で、呼吸に合わせて肩を上下に動かします。肩や首まわりをほぐし、肩の不調に役立つ呼吸法です。ヨガポーズの練習前に行うと首肩の力みが抜け、快適な姿勢をとれます。
肩呼吸法のやり方
- 楽な姿勢で座る(立ったままや寝たままでもOK)
- 息を吐き切ってから鼻から大きく息を吸い、肩を耳に近づける
- 大きく口から息を吐きながら、肩をストンと下げる
- 2~3セット行う
ヨガで呼吸が重視されるのはなぜ?
ヨガで呼吸が重要とされるのは、ヨガの目的である「心を穏やかに整える」ために深い呼吸が必要であり、呼吸を意識的にコントロールすることで、心の状態を整えることができると考えられているからです。
興奮状態にある時は呼吸は浅く早くなり、リラックスしている時は呼吸は深くゆっくりになりますよね。このように呼吸は心の状態に左右されるため、心の平穏を得るためには穏やかで深い呼吸の習得が必要なのです。
深い呼吸の習得にはアーサナによって身体を整えることが必要になります。ヨガの呼吸法とアーサナ(ヨガポーズ)は相乗効果をもたらす関係にあり、呼吸法はアーサナを深める手助けに、アーサナは心地よい呼吸ができるように身体の緊張を抜き、姿勢を作る筋力を養う手助けになるのです。
初心者さん必見!ヨガの呼吸法のコツは?
息を吐くときは吸うときより長めに吐くことを意識してみましょう。吸う息は4秒、吐く息は8秒が目安ともいわれています。
「ヨガの呼吸法がうまくできない!」という方は、胸まわりの筋肉がこわばって呼吸が深まりにくくなっているかもしれません。鎖骨の下をさすってみたり、両手を腰の後ろで組んで拳を遠ざけ胸元をストレッチしたりという方法も取り入れてみてください。
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ヨガの呼吸法と瞑想について
ヨガの瞑想と呼吸の違いや瞑想時の呼吸法について見ていきましょう。
呼吸法と瞑想の違いは?
違うのは「目的」です。呼吸法の目的は意識して普段の呼吸と違う呼吸を行い、深く全身に空気を行きわたらせるて心身を整えること。
瞑想では呼吸法を使用して精神的な集中力を高め、最終的に「無」になることを目的としています。
ヨガ瞑想時の呼吸法はどの呼吸?
瞑想時の呼吸に決まりはありません。とにかく自分が一番リラックスできる方法を選んでください。おすすめは深い呼吸を行える腹式呼吸です。瞑想時は「吸う」「吐く」という行為をただただ繰り返していくことを続けていきます。
瞑想ではごく自然な行為である呼吸に意識を向けるために、落ち着く空間を整えることが大切です。香りや音楽の力を借りると良いですね。
ヨガの呼吸法の疑問を解決!
ヨガの呼吸法についての疑問にインストラクターである筆者が回答します。
ヨガの呼吸法にかける時間は?何秒?
ヨガの呼吸法には、「何回やればよい?何分続ければ効果がでる?」という疑問に対して明確な答えはありません。
心地よく感じられるところまで行うというのが理想ではありますが、時間のないときや慣れないときには、ぜひタイマーをセットして行ってみてください。出来れば少なくとも1分くらいは続けてみることをおすすめします。慣れたら3分程度行うのが理想です。
ヨガの呼吸法のタイミングがわかりません。
無理に合わせようとしなくても大丈夫です!自分が心地良く感じるペースで行うのが1番なのです。
ただし、もし余裕があれば、インストラクターのペースに1度合わせてみることをおすすめします。いままで感じられなかった効果や、やり易さなど新しい発見があるかもしれません。
ヨガの呼吸法の効果
ヨガの呼吸法には次のような効果が期待できます。
- 自律神経のバランスを整える
- 血流促進
- インナーマッスルの強化
- 集中力の向上
呼吸法の効果を高めるためには、アーサナ(ヨガポーズ)で姿勢を整えることが大切なので、日頃からアーサナの練習も行い、心と身体を整えていきましょう。
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