ピラティスの呼吸法のコツとは|ラテラル胸式呼吸のやり方解説

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ピラティスの呼吸法は胸式呼吸法(ラテラル胸式呼吸)ですが、「いまいちよくわからない」「難しい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ピラティスのラテラル胸式呼吸のコツは肋骨と骨盤底筋、姿勢に意識を向けることです。

ピラティスの呼吸法の効果やコツ、難しい方向けの練習方法をご紹介します。

ピラティスの胸式呼吸法|ラテラル呼吸とは

ピラティスの胸式呼吸法とは、胸式呼吸の肋骨を広げる動きと、腹式呼吸の横隔膜を動かす動きを組み合わせた呼吸法です。

ピラティスの呼吸は胸式呼吸といわれていますが、実際は胸式呼吸と腹式呼吸を組み合わせた「ラテラル胸式呼吸」です。

  • 息を吸うとき:肋骨を広げ、横隔膜が動く
  • 息を吐くとき:肋骨が閉じる

ラテラル胸式呼吸の方法は、鼻から吸って口から吐くのが基本です。

しかし、単に鼻と口という顔の中で完結する問題ではなく、肋骨や横隔膜を意識し、体幹を使って身体中に酸素が巡ると考えながら呼吸を行うことが大切です。

ラテラル胸式呼吸法の効果

ピラティスで行う胸式呼吸は交感神経を優位※1にするほか、腹横筋や内腹斜筋など腹部の筋肉活動を活発にさせるという研究報告もあります。※2

腹斜筋を鍛えることは美しいくびれ作りにつながるため、正しい呼吸法でピラティスを続けるとキュッと整ったくびれラインが手に入るかもしれません。

ピラティスの呼吸で大事な肋骨の役割とは?

肋骨というのは俗にいうあばら骨で、鳥籠状になっていてその中に肺や心臓が守られています。あばら骨一つ一つの間には肋間筋という小さな筋肉があり、あばら骨の間を埋めています。肋間筋は呼吸によって動く呼吸筋です。

しかし、姿勢が悪く胸が縮こまって呼吸が浅くなると、肋間筋が働きにくくなってしまうのです。肋間筋が動きづらくなると代わりに首周りの筋肉に負担がかかり、首こりや肩こりの原因にもなります

さらに、猫背や反り腰の方の場合は肋骨の開きが大きくなり、ウエストまわりが大きくなってしまうことも。ピラティスの呼吸とポーズを実践し、肋骨まわりを整えることも美しいくびれ作りへとつながります。

ヨガの呼吸とピラティスの呼吸法の違い

ピラティスとヨガは似ている動きが多いですが、呼吸法による自律神経の働きが異なります

ヨガの呼吸は腹式呼吸で、お腹に空気を入れていく呼吸方法です。主に心身を落ち着かせリラックスさせたい時に適しています。

ヨガとピラティスそれぞれの呼吸法による自律神経の働きは下記の通りです。

  • ヨガの腹式呼吸:副交感神経を活性化させる
  • ピラティスの胸式呼吸:交感神経を活性化させる※1

ヨガの呼吸法については下記もご覧ください
▶︎ヨガの呼吸法一覧をプロが解説!種類別に効果・やり方もガイド

ピラティスの胸式呼吸4つのコツ

ピラティスの胸式呼吸のコツは4つあります。肋骨への意識の他、骨盤底筋や腹横筋などインナーマッスル、姿勢への意識も必要になるので、最初は難しいと感じるかもしれません。

しかし、ピラティスの動きは全て呼吸ありきといっても過言ではないので、少しずつ練習をしてピラティスの呼吸法のコツをつかんでいきましょう。

ピラティス呼吸法4つのコツ

  1. 肋骨を動かす
  2. 肋骨を広げるイメージで息を吸う
  3. 骨盤底筋と腹横筋で吐く
  4. 姿勢を意識しながら呼吸する

①肋骨を動かす感覚を確かめてみよう

ピラティス 肋骨の動かし方イメージ画像
胸式呼吸をする時に、胸の下の肋骨に手を置いて手で肋骨の動きを感じましょう。

手を置くことで呼吸に合わせて肋骨が動いている感覚がわかるので、だんだん肋骨が動かしやすくなります。

また、胸の下に手を置くと肋骨が開かないように抑えることで、肋骨の後ろに空気を入れる感覚もわかりやすくなります。

②肋骨を広げるイメージで息を吸う

鼻から吸った空気を肺に入れるのですが、肺は肋骨に守られているため、います。正しくは、肋骨を広げて息を吸うイメージで行います。

ピラティスは呼吸同様に姿勢も大切なのですが、胸に空気を入れることを考えると、つい胸を張りがちってしまう人が多いと思います。

胸を張ると肋骨の前が開いて背骨に負担がかかってしまうので、肋骨を後ろに広げる、横に広げるように意識してみましょう。
頭が前に下がると猫背になりやすいので頭の位置は変えないようにします。

③骨盤底筋と腹横筋で吐く

吐く時は口から細く長く息を吐いていきます。お腹から搾り上げてくるように息を吐き切るイメージです。
お腹のインナーマッスルである腹横筋と、骨盤底筋を使って絞り上げていきます。

骨盤底筋と腹横筋で絞り上げた空気を、最後に肋骨を小さく閉じていって吐き切ります。吸った時に広げた肋骨を、小さくすぼめていくイメージです。

骨盤底筋の使い方

骨盤底筋は骨盤の下にハンモックのようにある小さな筋肉群です。

骨盤底筋を膣を少し引き上げるように使うと、おへそのあたり、丹田と呼ばれる部分に力が入りやすくなります。骨盤を安定させてくれるので、肋骨や筋肉が動きやすくなります。

腹横筋の使い方

腹横筋はお腹の深層筋でありお腹全体を横向きに走っている筋肉です。下から空気を搾り上げるようにへこませて使います。

腹横筋は上半身を支えてくれる筋肉でもあります。吐くたびに背筋が伸びるようになると、うまく腹横筋が使えている証拠です。

④姿勢を意識しながら呼吸する

ピラティスでは呼吸同様に姿勢も大切です。しかし、姿勢が悪いと肋骨が骨盤よりも前に出ている状態になります。

肋骨が前のめりになっているとお腹に力を入れづらくなり、呼吸に必要なインナーマッスルを動かしにくくなるのです。
その上、上半身を支えられずに、背骨に歪みも生まれやすくなってしまいます。

つまり、肋骨を意識しない呼吸法でピラティスのポーズを行なっても、体幹を鍛える効果が半減してしまうのです。


背骨に沿って一直線になるように積み上げた姿勢を維持して、呼吸に集中するようにしましょう。
肋骨がより動きやすくなり、インナーマッスルの動きも感じやすくなります。

座った姿勢や立つ姿勢では意識しづらい場合は、仰向けの姿勢で呼吸に集中してみると、自然と骨盤と肋骨の位置がずれなくなります。
その場合は吐くたびに他の骨は動かさずに肋骨を床に沈める意識をして呼吸をすると、肋骨の動きがさらに良くなります。

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ピラティスの胸式呼吸が難しい原因と解消法

ピラティスの呼吸法が難しい方は、首や肩まわりのコリ、猫背をお持ちではないでしょうか?

首や肩周りの筋肉が固まっていると、ピラティスの呼吸で大事な肋骨の筋肉が動きにくくなってしまいます。特に、猫背の姿勢のように首が詰まり肩が上がって前に出ているような時は、深い呼吸がしづらくなるのです。

ピラティスの胸式呼吸で肋骨を動かしやすくなる簡単なストレッチとマッサージ方法をご紹介します。ピラティスの呼吸法を実践する準備運動として取り入れてみてください。

①鎖骨マッサージ

両手をクロスさせ左右の鎖骨をさすり、猫背で縮みがちな大胸筋や首の筋肉の緊張、体の前面の筋肉をほぐすことができます。

②背中と体側のストレッチ

背中側の筋肉は猫背のような姿勢では常に伸ばされてしまうので、呼吸が苦しくなるほど張ってしまうと感じる人はいませんか。背中が張った状態で深い呼吸をするのはとても難しいです。背中と体側のストレッチでスムーズな呼吸ができる状態へ整えましょう。

ピラティス 呼吸 ストレッチ
両手を胸の前で組み、息を吐きながら背中を丸め、手を遠ざける意識で3呼吸ホールドします。
ピラティス 呼吸 ストレッチ
息を吸って手のひら遠くを通り両手を頭上へ、脇腹から肋骨まわりをストレッチします。

伸ばすストレッチに加えて筋肉を縮める動きもプラスします。

ピラティス 呼吸 ストレッチ
体の背中側で指を組み、肩甲骨を引き寄せ腕を後ろに伸ばして息を吐きましょう。

このストレッチは強制的に背中の筋肉を縮めるので血行がよくなり、肩周りの強張りもなくなり呼吸がしやすくなるのでとてもおすすめです。

③横隔膜まわりのマッサージ

  1. 人差し指と中指をみぞおちを軽く触り、小さく円を描くようにほぐす(時計回り、反時計回りに)
  2. 親指以外の指をみぞおちに入れ込み、息を吸い吐きながら上体を前に倒す
  3. 息を吸いながらゆっくり上体を戻す
  4. 左右の肋骨の下に親指以外の指を入れ込み、再び前屈し同じようにゆっくり戻す

④肋間筋のマッサージ

  1. 右手を引き上げ、左手で右の肋骨をさする
  2. 背中の方もさするように、脇下から脇腹の下あたりまでさする
  3. 反対側も同様に行う

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【参考文献】
※1. ピラティス. 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-083.html
※2. KIM, Sung-Tae; LEE, Joon-Hee. The effects of Pilates breathing trainings on trunk muscle activation in healthy female subjects: a prospective study. Journal of physical therapy science, 2017, 29.2: 194-197.

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