産後ヨガいつから始める?禁忌や効果、ポーズまで解説【プロ監修】

産後ヨガは産後の骨盤底筋エクササイズや、腰痛肩こり予防のエクササイズとして効果的といわれています。
産後のお母さんのメンタルケアとしても有効といわれており、ヨガは産後の心身の健康促進として関心を集めているのです。
産後ヨガの効果や、産後ヨガをいつから始められるのか、おすすめポーズ、自宅で楽しむ方法をご紹介します。

目次
産後ヨガはいつから始めるべき?

産後ヨガなど産後の運動は、合併症を伴わない妊娠出産の場合は産後6週間が経ち、産後の定期検診でかかりつけ医から運動許可を得た後に始めることが可能です。
帝王切開の場合は運動できるまでの期間が通常より長くなるといわれています。※1
子宮が元の大きさに戻る目安の1ヶ月半程度は産後ヨガを控えましょう。お腹に力が入ると子宮の戻りに支障が出る可能性があるからです。
人によって産後の体調は異なるので、ヨガを始める前に必ず定期検診でかかりつけ医の許可が下りてから行ってくださいね。
産後ヨガの注意点

産後ヨガはかかりつけ医の許可を得た上で始めるということ以外に、さらに2つの注意点があります。
- 短時間のヨガから始める
- 頻度は週1ペースからゆっくりと進める
産後のエクササイズは、最初は強度と持続期間ともに少なく始めるべきといわれています。※1
産後ヨガのポーズは強度が低い簡単なレッスンを短時間から始めてみましょう。心身の調子を見ながら少しずつ時間を増やしてみてください。まずは週1〜2回の頻度で始めて、無理なく体をヨガに慣れさせていきましょう。
産後ヨガの禁忌ポーズ

産後ヨガでは激しい動きや負荷の強いポーズは控えましょう。ダイナミックな逆転のポーズや片足バランスのポーズは、筋力を強く使うので産後すぐは避けてくださいね。
ほかにも強度が高いヨガレッスンは避け、産後女性向けに構成されたヨガ教室のレッスンを選択しましょう。
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産後ヨガ3つの効果

産後ヨガのポーズや呼吸は、不安定になりがちなママの心とからだに良い影響を与えます。
- 産後の骨盤底筋のケアができる
- 育児で起こりやすい肩こりや首こりを防ぐ
- 出産後のメンタルケア
産後ヨガの効果を詳しく見ていきましょう。
産後ヨガで骨盤底筋のケアができる
産後は妊娠出産時に骨盤底筋がダメージを受けた状態であり、尿失禁などのトラブルなどが起こりやすくなります。
産後の尿失禁は多くの女性が経験する症状といわれ、尿失禁の予防のためには妊娠出産後ともに骨盤底筋のエクササイズが重要であると考えられています。※2
産後女性を対象に行われた研究では、産後のヨガは骨盤底筋のケアに有効という結果があり、例として椅子のポーズや橋のポーズなどが骨盤底筋エクササイズとして有効だと記載されています。※3


骨盤底筋エクササイズは様々な方法がありますが、骨盤底筋を意識するという方法は簡単ではありません。
ヨガの椅子のポーズや橋のポーズなどは骨盤底筋と関わる内腿の内転筋を鍛えることで、比較的簡単に骨盤底筋にアプローチできます。
産後ヨガにオンラインヨガが便利
産後ヨガを始めるなら無理なく続けられる通わないヨガ教室が便利。オンラインでママ向けヨガレッスンを体験できます。
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妊娠出産後の体の不調を防ぐ
産後は妊娠と出産によって体が変わり色々な不調が起こりやすいといわれますが、産後ヨガは不調を防ぐことにも役立ちます。
【産後の女性の体に起こりやすい不調】
- 肩こり
- 睡眠不足、不眠
- 体力低下で疲れやすくなる
- 腰痛 など
産後ヨガの心身への効果に関しては様々な研究で証明されており、産後ヨガの実践による身体的な変化としてはコリの改善や疲労の解消、睡眠の質の良い変化などが挙げられています。※4
ヨガのポーズには筋肉をストレッチする動きがあるため、産後の肩こりや腰痛といった身体のコリにアプローチが可能です。
睡眠への効果に関しては、全身の緊張がヨガのポーズや呼吸によってほぐれるためと考えられます。
産後の睡眠不足に悩んでいる方には、寝る前にできる強度の低いリラックス系ヨガがおすすめです。
産後のメンタルケアに効果的
産後ヨガはママに襲いかかるメンタルトラブル予防にも効果的です。妊娠出産を終えたあとは、体だけではなく心にも様々な不調が現れ、現在お悩みのママも多いと思います。
産後女性がストレスを抱えやすくなるのは、妊娠出産によるホルモンバランスの変化が関係しており、ストレス耐性が低下しやすいからと考えられています。※5
【産後のメンタルトラブル例】
- 何事も自分でやらなければと考えてしまう
- 物事を否定的にとらえてしまう など ※5
産後のメンタルケアにヨガが効果的ということは海外の研究で明らかになっており、例えばヨガがストレスホルモンのコルチゾールを低下させることがわかっています。※6
産後ヨガにおすすめのポーズ3選
産後でも無理なくできるヨガポーズ動画を3つご紹介します。
キャットアンドカウ
キャットアンドカウは、背中の筋肉とお腹の深層部にある筋肉を動かせるポーズで、腹筋が弱くなっている産後に最適です。
- 両手を肩の真下、両ひざは骨盤の下にくるようにセットし、吐く呼吸で両手でマットを押しながら背骨を丸める
- 吸う呼吸で腰の方から背骨を反らせ、斜め上を見るように頭を上げる
ゆっくりと丁寧に3〜5呼吸行い、身体の前側と後ろ側のストレッチと引き締まりを交互に味わってみましょう。
橋のポーズ
産後の骨盤底筋の調整に効果的なヨガポーズです。
- 仰向けになりひざを立てる。脚幅は骨盤幅。脛が床に垂直になるように膝は深めに曲げる。腕は体側に沿わせるように伸ばし、手のひらは下向き。
- 足裏で力強く床を踏みしめ、ゆっくりとお尻を上げる。、内ももを意識し、膝と膝の距離は骨盤幅をキープする。
- 吐く呼吸で背骨の上からゆっくり身体を下ろす。
背骨ひとつひとつの動きを意識しながら何度か行います。
戦士のポーズ1番
戦士のポーズはお尻と内ももの筋肉にアプローチできるので、産後の骨盤底筋を鍛えるのにぴったりなポーズです。
- 右脚を軸に、左脚を脚一本分くらいの距離に大きく引き、足さきを30度から45度に開き、左足裏を着地する。このとき両かかとは一直線か、きつければ、左脚裏の位置は足一足分左外に移動して良い。
- 骨盤を正面(右膝の向いている方向)に向け、右膝を曲げて踏み込む。右脛は床に垂直。左ふくらはぎの伸びを感じる。
- 両腕を持ち上げ下腹部を引き締めたまま呼吸をし、反対側も同様に行う
まとめ
産後のママの心身を整えられる産後ヨガ。産後ヨガは継続することで効果が期待できるといわれますが、継続が難しい方法を選んでしまうとヨガに通うことがストレスになってしまうかもしれません。
おうちでヨガレッスンを受けられるオンラインサービスもあるので、以前より産後ヨガレッスンのハードルが低くなっているかと思います。
託児サービスがある産後ヨガ教室が近くにない場合は、オンラインレッスンも検討して自宅でも続けられる産後ヨガの方法も試してみてくださいね。
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【参考文献】
※1 Pruett, Michele Dell, and Jennifer L. Caputo. “産前産後の女性のためのエクササイズガイドライン.” Strength & conditioning journal: 日本ストレングス & コンディショニング協会機関誌 19.5 (2012): 42-45.
※2 田尻后子, et al. “妊産褥婦の尿失禁に関する実態と関連要因について─ 妊娠期から産後 1 ヶ月までの調査より─.” 理学療法科学 25.4 (2010): 551-555.
※3 Li, Qunfeng. “The Effects of Yoga Exercise on Pelvic Floor Rehabilitation of Postpartum Women.” Journal of Healthcare Engineering 2022 (2022).
※4 小笠原百恵, et al. “妊娠中および乳幼児を育てる母親が行う 「ヨガ」 に関する文献検討.” 関西看護医療大学紀要 13.1 (2021): 18-32.
※5 ⻄⼤輔. 妊娠・出産に伴ううつ病の症状と治療. 厚生労働省e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-001.html
※6 Hu, Shujuan, Tao Xu, and Xianwang Wang. “Yoga as an Exercise Prescription for the Pregnancy or Postpartum Period: Recent Advances and Perspective.” Yangtze Medicine 5.3 (2021): 157-170.