ヨガとストレッチ3つの違いとは?効果や目的、やり方の違い

ヨガとストレッチは動きが似ているので、どちらも効果は変わらないと思っていませんか?実は、それぞれ目的ややり方、効果に違いがあるのです。とくにヨガには、ストレッチにはない肉体的・精神的効果が期待できます。
ヨガとストレッチの目的や効果の違い、気になるダイエット効果について解説します。ヨガとストレッチ、どちらを選ぶべきか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

監修者:ヨガインストラクター甲斐あゆみ
RYT200取得、ダイエット検定1級取得、マクロビオテックセラピスト取得。宮崎県の山奥生まれ。SOELUや自身のスタジオでオンラインヨガレッスンを担当。アーユルヴェーダやマクロビオティックの知識を活かし一人一人に合った健康的なライフスタイルを提案している。
目次
ヨガとストレッチ、どっちを選べばいい?

ヨガとストレッチのどちらを選ぶか迷っている方は、目的で選んでみてください。
- ヨガが向いている人:イライラや不安を解消してリラックスしたい、シェイプアップしたいけど筋トレのようなハードな運動は苦手
- ストレッチ:体を柔らかくしたい、筋トレや有酸素運動の前後に体をほぐしたい
体のコリや痛みのケアや疲労回復が目的の場合は、ヨガとストレッチどちらでもOK。ヨガのポーズにも筋肉を伸ばす・弛める効果が期待できるからです。
ストレスや不安を感じることが多い人は、深い呼吸によって体と一緒に心も整えられるヨガが良いでしょう。
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ヨガとストレッチの違い|どちらが痩せる?

カロリー消費量の多さでは、種類によりますがヨガの方が運動強度が高いので、脂肪燃焼により役立つかもしれません。
運動 | 運動強度(メッツ) |
---|---|
ストレッチ | 2.3 |
ハタヨガ | 2.5 |
太陽礼拝 | 3.3 |
パワーヨガ | 4.0 |
ストレッチよりも運動強度が高くダイエットにおすすめなのがパワーヨガや太陽礼拝です。
太陽礼拝は準備運動に適している動的ストレッチに当てはまります※4ので、ウォーキングやジョギングなど他のエクササイズを行っている方はウォーミングアップとして行うのも良いでしょう。
全身の筋肉を刺激し心拍数を上げ、血流を促す※4という特徴もあり、太陽礼拝はとくに有酸素運動要素が強いともいえます。
【関連記事】【太陽礼拝の効果・AとBのポーズ・練習法】完全ガイド|初心者OK!
ヨガは健康管理にも役立つ?
消費カロリーの多さ以外にも、ヨガがダイエットに役立つ可能性は様々挙げられています。
- ストレスホルモン減少による脂肪の蓄積予防
- 血糖コントロールや脂質濃度、脂肪過多の体組成改善※
※ヨガの実践がメタボリックシンドロームや2型糖尿病患者の体組成改善の可能性があるという研究が紹介されています。
参考:アン・スワンソン著, 高尾美穂監修. サイエンス・オブ・ヨガ, 西東社, 2019.
運動強度以外でも注目したいヨガのダイエット効果が、メンタル調整によるダイエット効果です。
ヨガの実践はストレスホルモンのコルチゾール減少のほか、「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンの増加※5などが期待できます。
ストレスによってやけ食いしてしまう方や、ダイエット中の食事制限がストレスで続かないという方は、ヨガのリラックス効果がダイエットに役立つかもしれません。
【関連記事】ヨガは痩せる?痩せない?ヨガのダイエット効果をプロが解説
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ヨガとストレッチの違い|目的編

ヨガとストレッチの最大の違いは、目的です。
- ヨガの目的:心を整える
- ストレッチの目的:体を整える
具体的に解説していきます。
ヨガは心を穏やかに整えることが目的
ヨガはもともと心を落ち着かせるための修行の一つでした。ヨガポーズの目的は、身体の癖や歪みを整え、筋力を養って理想的な姿勢をとるためです。
ヨガの最終的なゴールである心を落ち着かせるためには深い呼吸が大切であり、深い呼吸を行うためには理想的な姿勢が必要※1と考えられています。

ヨガのポーズによるストレッチ効果は、理想的な姿勢作りと深い呼吸を行うための過程で発生するものであり、ストレッチ自体が目的ではありません。
ストレッチは身体を整えることが目的
ストレッチは下記のように定義されています。
筋肉や関節の柔軟性を高めることを目的にした運動をストレッチングといいます。
出典:ストレッチング. 厚生労働省e-ヘルスネット.
ストレッチの細かい目的は下記の通りです。
- 筋肉痛の予防
- 疲労回復
- ストレス解消
- 柔軟性を高めて運動のパフォーマンスをアップさせる※2
ストレッチは不調を解消・予防したり、体を動かしやすくしたりする手段であり、身体を整えることを主な目的とした運動です。
上記に挙げたストレッチの目的はヨガのポーズでも達成できるため、ヨガもストレッチのカテゴリの中に含まれるものと考えられています。
ヨガとピラティスの違いは?
ヨガと混同されがちな「ピラティス」ですが、ヨガとピラティスの大きな違いは「呼吸法」です。
ヨガは主に腹式呼吸で深くゆったりとした呼吸で副交感神経を活性化させて体を動かします。ピラティスは胸式呼吸によって交感神経を活性化させて体を動かします。
ヨガとピラティスどちらもインナーマッスルを鍛えられますが、ピラティスはとくに腹部のインナーマッスル強化を重視している※3ため、ウエストを引き締めたい方におすすめです。
ピラティスの呼吸法については、ピラティスの呼吸法とは|ヨガとの違いやコツ、練習方法を参考にしてみてくださいね。
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ヨガとストレッチの違い|効果編

ヨガとストレッチで共通する効果は下記の通りです。
- 筋肉や関節を伸ばして柔軟性を高める
- 身体のコリ解消
- リラックス など
ヨガの場合はストレッチのように体を整えることが目的ではありませんが、さまざまなポーズをとることで結果的に心も体も整えられます。
さらに、ヨガにはストレッチでは得られないシェイプアップ効果や精神的な効果も得られるのです。
ヨガは筋トレにもなる
ヨガとストレッチの肉体的な効果の違いとしては、ヨガポーズによる筋トレ効果が挙げられます。
- ヨガ:深層筋(インナーマッスル)を強化する
- ストレッチ:筋肉や関節を伸ばして柔軟性を高める(ヨガポーズでも同様の効果が期待できる)
筋トレ効果はストレッチにはないので、身体を引き締めたい場合はストレッチとは別のエクササイズが必要です。
ヨガはインナーマッスルを強化し、しなやかな筋肉を育てることができますので、キュッと引き締まったボディラインも目指せます。
【関連記事】ヨガと筋トレどっちが美ボディになれる?鍛えられる筋肉の違いと併用法
実践!ヨガの筋トレポーズ

マラーサナをベースにしたヨガのスクワットのバリエーションです。股関節を開き太ももやお尻の筋肉にアプローチしていきます。下腹をペタンコにしてお尻の穴もグッと締めておこなうと体幹も強化されていきますよ。
【ほかのヨガポーズはこちら】
ヨガポーズ一覧23選|基本&初心者向け簡単ヨガポーズ
ストレッチにはないヨガの精神的な効果
ヨガの実践によって自分の体や心の状態を観察し、集中力アップが期待できます。
ヨガもストレッチも、どちらにもリラックス効果はあります。血流が促されることで自律神経が整い、心身をリラックスさせる副交感神経が働くからです。
ヨガによるリラックス効果には、呼吸法が関係しています。
ヨガでは腹式呼吸や胸式呼吸を使用し、呼吸法によって集中力を高める効果や、筋肉を緩めやすくする効果、リラックス効果につながるのです。
深い呼吸をしながらヨガポーズを行うことは動く瞑想とも言われており、『今この習慣』に意識を置き自分のカラダに目を向け集中することがバランス力、集中力の強化に繋がります。
【関連記事】ヨガの呼吸法一覧9種類|やり方と効果を初心者向けに解説
ヨガとストレッチの違いまとめ
ヨガとストレッチの違いをまとめます。
- ヨガは心、ストレッチは体を整えることが目的
- 肩こりや腰痛など体の痛みはヨガとストレッチのどちらでもケアできる
- リラックス効果はストレッチにもあるが、ヨガはストレスホルモンの減少やセロトニンの増加が期待できる
- ヨガにはストレッチにはない筋トレ効果が期待できる
動きは似ていますが、呼吸を意識しながら行なうヨガは、心を整えながら体も整えます。大事なのは、自分の目的に合うものを選ぶことと続けることです。
リラックスやストレス解消ならヨガ、運動前後のウォーミングアップならストレッチ、とその日の気分や体の状態に合わせて選んでみてください。
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【参考文献、ページ】
1. 綿本彰. YOGAポーズの教科書, 新星出版社, 2021.
2. 宮地元彦. ストレッチングの効果. 厚生労働省e-ヘルスネット.
3. ピラティス. 厚生労働省e-ヘルスネット.
4. レイ・ロング医学博士著, 中村尚人監訳, 鈴木まゆみ訳. 図解 YOGAアナトミー:アーサナ編, アンダーザライト ヨガスクール YOGA BOOKS, 2012.
5. アン・スワンソン著, 高尾美穂監修. サイエンス・オブ・ヨガ, 西東社, 2019.